築竹な日々 このページをアンテナに追加 RSSフィード

本の活字による分類は2005-04-09にあります。
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2005-02-16イワタの古い「お」と新しい「お」 このエントリーを含むブックマーク

手許にサン・テクジュペリ『夜間飛行』(新潮社、1956、1964印刷)と、川上弘美山口マオ『椰子・椰子』(新潮社、1998、1999印刷)があるのですが、どちらともイワタの明朝を使っています。

椰子椰子の方は13級かと思いますが、夜間飛行は9ptであるようです。一見、殆ど同じようですが、「ら」の形が違うのと、かなの漢字に対する字面比が椰子椰子の方が少し大きく感じられます。また、イワタ細明朝オールドの見本を見ていて、気づいたのに「お」の二画目の縦線が撥ねて、一度筆を上げているのですが、夜間飛行の印面を見る限りでは、ほぼつぶれるか、よくよく見て少しあいているように思われる程度であるのでした。

対して、椰子椰子の「お」は、明確に離れています。確かに、印刷技術進歩しているのですから、そう設計すればその通りに反映されるのに決まっているのですが。

これは、もしかしたら、限りなく線を細くする工夫なのかもしれません。つなげて彫った場合と、離して彫った場合で、印面がどれくらい違うのかは、あるいは全くないのかもしれませんが、興味がそそられることです。

明確に離れている椰子椰子において、もしくっついていたらどうだったであろうか? 撥ねの形から変わるので、「味わい」に違いが出ていたかもしれません。「お」の形が、もっと尖鋭的になるかと予想しますが、余り好もしい変化ではないような気がするので――というのもイワタは好きな書体であるので――変えるべきだとはいいません。

と書いておいて、もっと大きいpt数では、離したのも有効なのではないか、と思ったのですが、大いにありそうなことです。

あと、入筆部が、椰子椰子の方が穏やかでしょうか。コントラストがはっきりしてきつい分、それでバランスが取れるのかもしれませんね。

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